ご挨拶
さかな人代表 長谷川大樹
神奈川県三浦半島(主に、横須賀市長井漁港、佐島漁港など)を拠点に魚の仲卸をしています。私の基盤にあるのは、自然への畏敬の念です。幼少期から自然界に住む動植物たちのエネルギーや美しさに魅了され、暇を見つけては海や山へ赴いていました。
大人になってもその思いは変わらず、紆余曲折を経て、気づけばこの仕事を始めていました。
「自然に従う」という考えのもと、その日水揚げされた活魚と鮮魚のみを取り扱っています。その日その日で、何が仕入れられるかは分かりません。それでも自然の流れに委ね、その日見つけたものを最大限適切に処理し料理人のもとへお届けするというやり方を貫いています。
幸いなことに、私の思いに共感していただけるたくさんの料理人の方からご依頼をいただいており、国内外の星付きレストランをはじめ、割烹、居酒屋、寿司店など、ジャンルを問わず多くの料理人の方々と仕事をさせていただいています。
そして私には「魚に貴賤はない」という思いがあります。海の中では、どんな魚も等しく価値を持つ存在であり、価格や評価は人間の都合によってつけられているに過ぎません。一般に価値が低いとされてきた魚であっても、その特性を理解し、適切に扱えば本来の美味しさを十分に引き出すことができます。
そのため仕入れにおいては、既存の相場や評価にとらわれず、一尾一尾の状態を見て判断し、正当に価値付けすることを心がけています。
魚の真の価値を知ってほしいからこそ、脳締め・血抜き・神経締めといった処理から温度管理に至るまで、細部にわたり徹底しています。魚が本来持っている美味しさを、いかに損なうことなく届けられるか。それが私の役割であり、私を信頼してくださっている料理人の方々へとバトンをつなぐ仕事だと考えています。
日々の仕事の傍ら、山に入り野草や山菜を採集することも続けています。
自然の中で過ごすことで、季節の移ろいや環境の変化、自然の摂理を肌で感じ、その感覚は魚を扱う仕事にも生きています。
魚も山の恵みも、本来は人の手を加えなくても豊かな価値を持っています。
その価値を正しく知り、味わうことが、自然への理解や敬意につながると信じています。
美味しいと感じる体験を通して、自然の偉大さに目を向ける人が増えること。
そして、魚の価値が正しく評価されることで、漁業や流通のあり方がより良い方向へと変わっていくこと。
そんな未来を思い描きながら、日々の仕事に向き合っています。
